私たちの、歪な関係
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「お客様、そろそろ閉店時間になりますので……」
どれだけ集中していたんだろう。
声をかけてくれた店員さんの声ではっとする。
「あ…ごめんなさい、居心地良くて……」
当たりを見渡すと私しかいなくなっていた。
……やってしまった。
図書室でもこんなことあったな……
「そう言ってもらえて嬉しいです。
また是非来てくださいね」
すると私が来た時はカウンターの中にいた店主らしきおじいさんは、いつの間にか私の前に来ていた。
「マスター」
店員さんが声を上げる。