私たちの、歪な関係
ーーー
「今日は楽しかった!ありがとう隼」
私の家の前。
隼は送ってくれた。
「俺も楽しかった、ありがとう優衣」
遊園地は楽しくて楽しくて。閉園時間までいてもう家に着く頃には夜の12時を回ろうとしている。
あ……
プレゼント渡せてない。
だけど今渡すべきタイミングなのかな?
なんだかタイミングが掴めなくて渡せていない。
「また出かけようね」
隼の笑った顔、好きだなぁ。
隼と繋いだ手はまだ離す気になれなくてずっと握ったまま向き合って話す。
「うん!楽しみ。」
「あ、今度またゲームしようよ。
のんびり」
「いいね、私新しいのこの前買ったの。
それやろう」
「やったね、やる」
もうこんな時間だし、隼も帰らなきゃ行けないのは分かってるけど………
自然と握った手に力が入る。
「…隼、」
もうタイミングとかどうでもいい。
「ん?」
「……メリークリスマス」
私はカバンから隼へのプレゼントを出すと隼に渡した。
「え……」
驚いてる隼。
「開けてもいい?」
「うん」
そして嬉しそうに包装紙を開ける隼。
「あ…時計だ、腕時計」
私は隼へのプレゼントに腕時計を選んだ。
ブレスレットとか、アクセサリーよりも腕時計のほうが身につけやすいかなって。
「うん、シャレてるのよりこっちのほうが身につけやすいかなって……」
身につけてくれると嬉しいかなって。
「うれしい、ありがとう。
大事にする」
隼はそう言って腕時計をさっそく腕につけると、「どう?」と私に見せてきた。
「似合ってる」
私はそう言って腕時計のついた隼の腕をとる。
お店で見た時より、隼の腕についている方がこの時計がキラキラしてみえる。
よかった、喜んでくれて。
「ありがとう」
すると隼はそう言って私を抱きしめた。
「俺からはこれ」
そしてそう言って私を離すと同時に私の首元にひんやりとした感覚が。
「ネックレス、絶対優衣に似合うと思って買った。
似合ってる」
デザインは見えないが、私はそのネックレスに触れる。
「ありがとう…」
少し驚いた、まさか隼もプレゼント買ってきてくれてるなんて思わなくて。
「毎日つけたい。ずっとつけてたい」
「あはは、それは嬉しい限り」
「それくらい嬉しい、伝わる?」
予期せぬことほど嬉しいことは無い。
「優衣、俺も嬉しいの伝わる?」
隼はそう言って私があげた腕時計のついた腕を私の後頭部にまわすとそのまま引き寄せてキスをした。
「…ん……伝わった…」
唇が離れると、恥ずかしくなって私は目線を落とした。