私たちの、歪な関係


「そういえば、2人とも付き合ってたのね」

はい?

ハルちゃんが爆弾発言をした。

いや、確かに付き合ってるんだけど……

一応ハルちゃんには内緒で、仲のいい友達って事にしてある。

「な、なんで?」


どうしてバレたの?


「なんでって、さっきキスしてたじゃない!
家の前で」


若いわねぇ、なんてハルちゃんは笑いながら言う。

………見られてたのか。


「ちーがうよ!キスなんてしてないよ。
たまたまそう見えただけじゃない?」


慌てて弁解するもハルちゃんはあんまりしっくりこないみたいで。


「そうかしら?」


と首をかしげている。


「そうだよ!私と隼は友達!」


「おかしいわねぇ」



私達は学校でも割と有名なカップルに入るから、いつかはバレる日が来るかなとは思ってたけど……

だけど保健室は少し離れてるからって油断してたな。

気をつけないと。



「あら。飲み終わっちゃった。
そろそろ帰るわ」


「あ、うん……
また来てね!」


私が悶々と考えているとハルちゃんは飲み終わったみたいで席を立った。


「優衣、戸締りはしっかりね」


「うん、ありがと!またね」


「ばいばい」


ハルちゃんが家を出ていくと、家は急にしんとした。



ハルちゃんは、私の親の仕事が忙しいことはしってるけど本当の理由は知らない。








この家がこんなに広く感じるようになったのはいつからだろう……。




まぁいい、今日はもう寝よう。






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