副社長には内緒！〜 Secret Love 〜

「とてもお綺麗です」
綺麗な女性スタッフ２人からそう声をかけてもらい、莉乃は照れたように笑みを浮かべた。

「大丈夫ですか？こんな大人っぽいの初めてで……」
フィッティングルームから出てきた莉乃は黒のパンプスに足を入れた。

「ご心配には及びません。本当にお似合いですよ」

そう答えたヘアメイクの女性は、最後にゴールドのアクセサリーをつけクラッチバックを莉乃に渡した。

莉乃はまじまじと鏡の中の自分を見つめた。
いつもより大人っぽく仕上がった自分に少し恥ずかしさを覚えながら、二人に向き直った。

「ありがとうございます。こんな大人っぽく仕上げて頂いて」

「いえ。こちらこそお手伝いさせて頂き嬉しかったです。長谷川様がラウンジでお待ちだと思いますのでいきましょうか？」

コンシェルジュの女性に案内されエレベータに乗り５３階へと上がった。