副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
朝目が覚めると、外は雪が降っていた。
都心より雪の降りやすい、莉乃の実家の庭はすでに真っ白になっていた。

(ホワイトクリスマス……)

本来なら、今頃ツリーを飾り、チキンを焼いて誠とクリスマスをしているはずの莉乃は、小さくため息をついた。

ぼんやりとした頭で、自分のベッドでゴロゴロとしていると、下から母の明るい声が聞こえてきて、莉乃はガバッと起き上がった。

「いいのいいの。入って」
その言葉に、まさかと思いながらも、もうどうすることもできず莉乃はベッドの上に座り込んだ。

「莉乃?入るぞ」
予想道理のその声に、莉乃は拒否の言葉を言う前に開いたドアにどうすることもできずベッドの中へもぐりこんだ。

「莉乃……」
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