副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「落ち着くまで時間をくださいって伝えた。それでよかった?」

その言葉にホッとして、莉乃は「ありがとう」とつぶやいた。

「でも、誠さんだって心配するでしょ?せめて居場所ぐらい伝えなさい」
呆れたように言った母の言葉に、莉乃はギュッと唇をかみしめた。

(だって……私がいなくて喜んでるかもしれない。昔のように遊べるって……)


そっとスマホをだし電源を入れると、何十件という数に莉乃の罪悪感が募る。

付き合ってきた時間、結婚してからの時間、大切にしてもらったと思うし、愛されている自信もあった。
それでも今回はなぜかいつものように、冷静に聞くことができなかった。

バレてない。
今までずっと私だけ一人で浮かれていただけだったのだろうか……。

そんな事を思いながら、数日が経過した。

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