副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
その言葉に、誠は呆然と言葉をなくした。

「俺がパパ?」
ようやくそう呟くと、莉乃を見た。

「うん、赤ちゃんできた」
「マジか……」
誠が手で顔を覆ったのを見て、莉乃は少し不安になる。
もしかしたら嬉しくなかったのだろうか……。
そう思った時だった。莉乃はふわりと優しく抱きしめられる。
「莉乃、ありがとう……。本当に。俺が父親か……」
少し涙声の誠に、莉乃も温かい気持ちが溢れる。

「あっ、こんなに抱きしめたら、つぶれる?おい?チビ?大丈夫か?」
慌てふためく誠に、莉乃は笑い声を上げた。

「つぶれる訳ないでしょ?」

「え?大丈夫?つぶれない?」
慌てた様に言うと、誠は莉乃に優しくキスを落とす。

「莉乃、ありがとう。最高のクリスマスプレゼントだよ」
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