副社長には内緒!〜 Secret Love 〜

莉乃は腕時計にチラッと目をやると18時を幾分過ぎた所だった。

仕事の区切りもつき、莉乃は副社長の部屋に行き書類とパソコンに向かっている誠に声をかけた。

「失礼します。副社長、後何かありますか?」

「特にないから上がって」
チラッと莉乃を見て、誠はあの嘘っぽい笑顔を向けた。

「ありがとうございます。お先に失礼致します」

(まだまだかかるんじゃない?あの仕事……)

莉乃は、少し罪悪感を感じたが、

(特に指示もないのに、自分から言いだす事もないよね……遅くなりたくないし……)

莉乃は心の中で呟いて会社を後にした。
< 8 / 323 >

この作品をシェア

pagetop