副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「明日は起こさなくていい?」
莉乃は話題を変えるように、時計に目を向けると誠に声を掛けた。
「もう0時を回ったのか……。特に予定はないから、莉乃が大丈夫なら」
「私は大丈夫だからじゃあ起こさないでおくね」
「なあ、莉乃……」
誠はさっき莉乃に言われた言葉を否定するべきか悩んで、莉乃を呼んだ。
「なに?」
莉乃はお酒も進んだせいか、先ほどよりもトロンとした瞳をしてるように誠には見えた。
「俺はいつも女の……」
いつも女の家に泊まってない……そう言うつもりだったがその瞳を見てやめた。
(そこを莉乃に否定してどうしたいんだ?何を言いたいんだ?)
自分自身でもわからない感情をごまかすように、莉乃の髪の毛をぐちゃぐちゃっとすると、
「もう眠たそうだぞ。それに、酔ってるだろ?」
誠は軽くため息をついて莉乃を見た。
「全然、まだまだ飲めるよ……」
莉乃はビールを一気に飲み干すと、ふにゃりと笑った。
「おい!一気なんてして大丈夫か?」
「だい…じ……」
返事が途中で途切れたと思うと、誠は肩に重みを感じた。