副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「おはよう」
と不意に後ろからいつもより少し低い誠の声が聞こえて、莉乃はビクッとした。
「おはよう」
莉乃は軽く息を吐いて呼吸を整えると振り向いた。
そんな莉乃に構うことなく、莉乃の隣に来た誠に慌てて莉乃は目線を外に向けた。
「きれいだな。この景色」
少し都心から離れていることもあり下には穏やかな川が流れ川沿いには緑がたくさん見える。
「うん。この景色が好きなの。それよりよく眠れた?というより私昨日……」
自分が何をしたのか不安になり、言葉を濁した莉乃に、誠はククッと肩を揺らすと、
「大丈夫だよ。電池が切れたように急に眠っちゃったからベッドまでは運ばせてもらっただけだ」
「ごめんなさい!迷惑かけて……」
誠の言葉にしゅんとして言った莉乃に、
「それぐらい迷惑でもなんでもないよ。かわいかったよ。莉乃の寝顔も」
ニヤリと笑って言った誠に、
「もう!ふざけないでよ!」
「顔赤いぞ」
誠は真っ赤になって睨みつけた莉乃の頭をポンと軽く触れ、そのままするりと莉乃の頬を撫でた。
「誠!!」
「顔洗ってくるな」
笑いながらそう言うと、誠はリビングからでて行った。
(もう……もう!からかわないでよ……。私免疫ないんだから……あれ?誠に触れられても嫌じゃない?あれ?いつから?というかこないだ出かけた時から平気?あれ?)
莉乃は自分の感情に驚きながらも、なんとか落ち着きを取り戻すと誠に声を掛けた。
「誠、ご飯食べれる?私食べるけど」
「朝飯?あるなら食べる!」
その返事に莉乃はお味噌汁と煮物を温め、のり、漬物を小皿に乗せ、卵焼きにシラスを入れ焼いくと、ダイニングテーブルにそれらを並べ、お茶を入れた。