副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「会社の日はパンが多いんだけど、お酒飲んだ次の日はご飯が好きなの。和食でもいい?」
戻ってきて、並んだ料理を眺める誠に心配そうに莉乃は声を掛けた。

「全然大丈夫。というより嬉しいよ。しかしすごいな。朝からこれだけ作れるなんて。旅館みたいだな。うまそう」
素直に褒められて莉乃は、嬉しくなり照れ隠しのように、キッチンへ行くと、

「お粥と白米どっちがいい?」
「白米お願いします」
席について丁寧に答えた誠が、なぜかおかしくなり、ご飯をよそうと、
「おまたせしました。どうぞ」
丁寧に渡した莉乃に、誠もクスクスと笑うと、
「ありがとうございます。莉乃も食べよう」

「うん」
莉乃もお粥をよそい、席に着くと「いただきます」とふたり揃って言った声にまた二人で笑いあった。


「あ、このみそ汁うまい」

「よかった。以外に家庭的でしょ?私」
莉乃はチラっといたずらっ子みたいな瞳を向けて誠を見つめた。

誠はその瞳を向けられるとどうも弱かった。
「ああ」
いつもなら、簡単に出てくる褒め言葉がすんなりと出てこず、慌てて卵焼きに手を付けた。


穏やかで優しい時間に、莉乃はゆっくりと箸を進めた。

「なあ、莉乃。今日の予定は?」

「え?特にないけど……」
「お礼と言ったらあれだけど、昼は俺にごちそうさせて」
誠の優しい空気に、ぼんやりと莉乃は端を置くと、遠慮気味に声を発した。

「いいの?」


「いいよ。もちろん。こんなに世話になったんだし」
誠はクスリと笑うと、テーブルの上の食事に目を向けた。
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