副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
そんな誠に莉乃は笑顔を向けると、
「前はね。そう思っていたよ。でもね、今は副社長として、友人として信用してるし誠実なのもわかったよ。それじゃないと家になんて泊めないよ」
ふわりと笑った莉乃の笑顔に、誠はホッと胸をなでおろした。
「莉乃……震えてる」
「え?」
「手……」
その言葉と同時に、温かく包まれた手に驚いて莉乃は誠を見上げた。
誠は莉乃に拒否をされない事を確認すると、覆った手に力を込めた。
お互い無言のまま手を繋いでいた。
「震え……止まったな」
誠の静かな声に、俯いていた莉乃は誠を見上げた。
莉乃はそっと手を離すと、
「ありがとう。もう大丈夫。ダメだね。今だに思い出すだけでこれじゃあ」
わざと明るく笑顔を向けたが、上手く笑えたか自信はなかった。
「そんなことないだろ。無理することないよ」
誠のその言葉に、莉乃は安堵して頷いた。
「なあ、莉乃、一度着替えたいから、俺の家に寄ってからでもいい?」
「もちろん」
誠はスーツに着替え、莉乃も支度をすると、地下の駐車場へと降り、誠の車に乗り込んだ。
「本当に、すごい車だね」
莉乃はシートに身を埋めると、外の景色をぼんやりと眺めた。