名無し。

失恋は出会いのきっかけ


…どこ?ここ。

まず、率直な考えが浮かんだ。

誰だって今のあたしと同じ状況になったら理解

なんて出来ないだろう。

あたしは保健室寝ていて、よくわからないけど

、夢?を見ていたはず。

…で、これ?

今のあたしはなぜか屋外にいる。

あたし、保健室にいたよね?

困惑するあたしの頬に、一筋の雫がつたう。

雨かと思ったけど太陽は異常なまでに強く輝き

を放ち、あたしたちを照らしつけている。

あれ?あたし、泣いてる?

なにこれ、意味わかんないじゃん。

目尻は熱いのに、頬を伝う雫は困惑するあたし

を嘲笑うかのように冷たい。

あたし、瞬間移動とか、しちゃった?

今なにが起きているのか全くわからないし、混

乱するばかりなのに。

あたしは何か、大切なことでも忘れてしまった

のかのように心にぽっかりと穴が空いたよう

だ。

なにが悲しいのか、何が苦しいのか、忘れてし

まったかのように、なにも感じない。

それなのに、どこからか悲しさが、寂しさが溢

れてくる。

なんで?何?これ。

この胸の痛みは、何なの。

あたし、どうしちゃったの?

疑問は次から次へと湧いてくるのに答えは1つ

も出てこない。

とりあえず、ここはどこなのかを突き止めるた

めにも少し動こう。

立ち上がってみると、爽やかな風が髪を揺らし

た。

なんかここ、すっごく懐かしいような気が

する。

まぁ、あくまで気がするだけだけど。


どこにいたのか全くわからなかったけど、少し

うろついてみると案外学校の近くだった。

んー、文化祭の途中だったからなぁ、どうしよ

う。

学校に戻るか、家に帰るか。

悩んでみたけど、あたしはそんなに不良じゃな

い。

どちらかと言えば優等生だろう。

…点数を気にしなければ。

学校に着くと、あたしはまばたきも忘れて目を

見張った。
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