僕と家族と逃げ込み家
僕はデッドスペースに残り、他の三人がスヤスヤ眠るのを静かに眺めていた。

しかし、こんなところで本格的に寝るとは……子供って凄い!
妙な感心をしていると叔父がまた顔を出す。

「亮は心配ない。今、姉さんとトヨ子ちゃんに預けてきた」
「そう、ありがとう」
「あいつ相当悩んでるな」

「アメリカ行きのこと?」と三人が眠っているの確かめ小声で言う。

「ああ、この間も決裂状態だったしな」

リビングでの話を思い出す。

「長い間、会っていなかったから仕方がないんじゃない?」
「それでも親子だ。わだかまりが消えたら寄り添える」

そんなものかと思いつつも、血が繋がっているからこそ、一度拗れるとそのわだかまりがより深いミゾになり、消し去ることができなくなるのではと思う。

特に亮みたいに賢い奴は、単純に過去を消すことはできないだろう。
でも……あの時の母たちの会話。亮は、源さんや母親の思いを知っているのだろうか?
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