JUNP!!
「バスケ…やってたんだろ?」
澪は続けた。

パスを見れば,すぐに分かった。
何年かバスケをやっていたの
だろうと澪は感じた。

「まぁな!」爽悟はそう言い,
ゴールめがけてボールを放った。

「まだ痛いな。ま,仕方無いな」
腕を擦りながら,爽悟は笑う。

「つか!!良いのかよ。会議とか
あるんじゃないんか?」澪は
言った。

自分もサボる気満々のくせに
爽悟の心配をする澪自身,矛盾
していて可笑しかった。

「あーそうやな……
俺,大人嫌いやから。会議とか
面倒臭いしな」欠伸をしながら
力無く爽悟は言った。

「ま,澪がそう言うからな。俺は
会議に言ってくるわ。大人が
だらしない姿見せたら、アカン
やろ?」爽悟はボールを渡し,
澪の頭を撫でた。

「俺をガキ扱いすんなよ」澪は
膨れっ面をし,爽悟に反抗した。

「じゃ,また後でな」澪の話を
聞いていたのか,分からないが
爽悟は手を降って,屋上を後に
した。

変な奴。と澪は小さく呟くと、
ボールをしまい,ヘッドホンを
付けると,大きく欠伸をした。
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