nocturne -君を想う夜-
枯れ果てた40代、なんて言われたらお仕舞い。
まだまだ老化なんて言われたくないし、イイ女でいたいから。
年齢も現実も間違いなくオバサンだからこそ、心や振る舞いだけは大人の女、イイ女でいなくちゃね。
疲れた顔の自分を慰めて、私は脱衣所を後にする。
虚勢を張っても良い。
強がって見せなくちゃ、一人でなんてとても立ってはいられないから。
あの日の選択は間違いなんかじゃなかったと、誰に証明するでもないけれど、きっと世間は見てる。
未婚独身子供なしの40代=負け犬。
世の中の眼差しなんて、そんなもの。
おひとりさまの比率が増えたところで、望んでその立場にいるとしたって、結婚“できない人”と思われるのは否定できない事実。
肩書きがなければ、なおのこと。
世の中の評価なんて知ったことではないけれど、現実を見れば、私はそんな“世の中”を生きているのだ。
そうはいっても、犬には犬なりにプライドがある。
へし折られるわけにはいかないのだ。
このちっぽけなプライドはいわば自分との勝負。
自分を律するのは他の誰でもない、自分自身のため。
人生をかけて、勝負してるんだから。
自分の価値は、自分で決める。
どんな明日が来ようとも、日常の中の一日でしかないのだから。