nocturne -君を想う夜-
着ていた上着をハンガーにかけて、手を洗い、湯船にお湯を張る。
買ってきたお酒を冷蔵庫に入れて、朝の残りのお味噌汁を火にかけて、コンビニで買ったサバの味噌煮をお皿にあけてレンジに放り込む。
ゴボウのきんぴらも半分をお皿にあけて、残りの半分は冷蔵庫へ。
炊飯器に残ってた冷やご飯をお茶碗によそっていると、ヒーターが狭い部屋を暖めてくる頃にはお味噌汁も温まっていて、ローテーブルにはそれなりに見映えのするご飯が並ぶ。
手作りではないけれど。
料理が嫌いな訳でもない。
出来ないわけでもない。
けれど、面倒になるときはあるわけで。
むしろ面倒なときの方が多いわけで。
作ったところで喜んでくれる人もいなければ、尚更なわけで。
友達がいない訳じゃないから、たまには外に食べに行くことだってあるけど、彼女たちにもやはり家庭があるわけで、つまり、毎日って訳にもいかないわけで。
一人でご飯を食べに行っても良いけど、一人ランチとは違って一人ディナーというのは寂しさを際立たせてくれる気がしてなんだか行きづらい。
そんなことを考えている結局家で食べることが大概になる。
時間があれば料理をしないでもないけれど、この近辺には24時間のスーパーはないし、スーパーが開いてる時間に間に合う為にはそこそこ急がなくちゃいけなくて。
一日の労働に疲れ果てた体に毎日鞭を打って急ぐというのは過酷というもので。
そうするとコンビニとお友達になるのは仕方がないこと。
コンビニで働いていた彼女は、帰ったらご飯の支度をするのか、働きに出る前に支度を済ませているのか。
気にしたところでどうでも良いことだけれど。
「とか、なんとか。心のなかで言い訳してるのも本当にどうかと思うけどねぇ」
またひとつ、独りごちては苦笑する。
独り言も心のなかでの呟きも、返事が返ってこないという点では結局同じだ。