「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
準備はできた。

もう、待つことなどできない。

できるわけがない。

早く夜が明けーあさがくれば・・

その時を聖人になった気持ちで待つだけだ。


ローレルの寝息も小鳥のようなかわいい寝言も全て愛しい。

ローレルの意思を確認した今となっては、苦行以外の何ものでもない。

朝、6時を迎え、ローレルの姿が男に戻るのを確認して、キルクークはドアに手をかけ強い口調で言った。

「じゃあ、ローレル、俺を信じて待てよ。」

・・?

なんのこと言ってるんだ?

そう思いつつ、ローレルは眠気まなこに小さくうなづいた。

「・うん、?」

「では、御前失礼いたします。もう少しおやすみ、俺のローレル。」

そう言って、キルクークはその部屋を後にした。

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