「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
それでは、とキルクークは言葉を紡いで、僕の耳元に囁いた。

重低音のハスキーボイスで。

「俺と、試してみますか?」

ローレルは囁きを聞いた左耳を手のひらで塞ぎ、キルクークを振り返った。

顔が熱くなる。

また・・こいつはぁぁぁ

「そのように赤くなって・・。」

くっくと喉を鳴らして笑う。

ああっ、くそぉ!

「・・っ、気分が悪い、部屋に下がるっ!」

ガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、周囲の視線が一斉にローレルに集まった。

父さんと母さんも、いぶかしげにこちらを見ている。

けど・・

知ったことか!

「おや、大丈夫ですか?」

キルクークは、冷静にローレルの前に膝をつき顔色を伺う仕草をしてみせる。
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