「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
ああーもうっ

意識してるのは僕だけなんだ!

分かり切ってることなのに・・

この不運を嘆き、苦しみ、もがいているのは自分だけなのではないかとさえ思える。

バカみたいだ!

つかつかと歩きながらローレルは思案した。

どうせ、この後のことだってあいつがうまいようにやってくれるんだ。

キルクークは優秀な侍従だ。

それは認める。

だけど、・・だけど僕だってもう大人なんだ。

こんな子供扱いばっかりじゃ、面白くないのは当然だろ?

衛兵に部屋の扉を開けさせて、ローレルは自室のソファーに乱暴に腰掛けた。

「あーもうっ、面白くないっ!」

腹がたつ、本当に腹たつ!

数分も経たずに潜めた足音が近づいてくるのを感じた。

キルクークだと、振り返らなくても分かる。
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