どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。

風呂の入れ方うんぬんより、まずまだ場所が分からないか。

案内も兼ねて、俺は市木と並んで浴室に向かう。

二人しかいない無駄に広い家に、二人分の足音が響く。

と、俺の横にいたはずの市木の姿が消えた。

後ろを向くと、市木が小走りで俺を追いかけた。


「どうした?」

「すみません……あの、歩幅、合わなくて……」


……あー……

俺と市木は身長差が十センチほどある。

俺の方が歩幅が大きいから、ついてこられないのか。


「すまない。ゆっくり歩く」

「いえ……あの」


市木は俺の手をギュッと握った。

最初に雇うと決めた時に握った時と同じ、冷たいけど、心地よい温度の手だ。


「……こっちの方が良いです」


え?

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