カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
松岡の車に揺られる事、数分…。



私は、助けられた安堵と、体も心も疲れていたせいなのか?

意識を失った…。





目が覚めた時は翌日の、昼過ぎの事。



見慣れない無機質な天井が目に飛び込んでくる。




やっぱり、病院に連れてこられたんだ…。



親に知られた恥ずかしさと、顔や体中の痛みが、
あの時の出来事を必要以上に私の心に、揺さぶりをかけてくる。





嫌だっ 嫌だっ 嫌だっ

消えろっ 消えろっ






コンコン


突然ドアからノックが聞こえた。


頭からすっぽりと、布団を深々とかぶる。

誰だろうと・・・

今は話なんかしたくない。





「舞?舞?」





聞き覚えのある、懐かしい、愛しい人の声が聞こえた。





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