【完】桜が咲く前に~キミとみっつの約束~
もう一度、もう一度ってこの5日間何度も望んだ。
とーくんの声が聞けます様にって。
『みんながこれを見ているってことは俺は、この世にいない、か…。』
いつから知っていたの?
自分の寿命が続かないこと。
『…これ言うの以外と恥ずかしいんだな…』
とーくんお得意のポーカーフェイス。
でも、照れると鼻の下を擦るくせ、私は知ってるんだから。
『かーさん、菫、泣いてる?……だろうな…。俺のせいだよな』
とーくんのせい、なんてそんな残酷なこと言わないで。
とーくんも怖かったんだよね?
でも、私の前ではそんな素振り見せることはなかった。