【連載長編】アルエス
窓から通りを伺い、人の気配が途切れた瞬間に、恒に手をかけ、ぐるりと逆上がりで身体を屋根へと放る。


深夜の出入りは窓が基本。


そして、屋根から屋根を伝い、音も無く寝静まった町を走る。


ひたすら東へと。


やがて…屋根が途切れ、町を抜け、深い森へ私は疾走して行った。


今夜は久しぶりに仕事らしい仕事にありつける。


あれだけ枯渇していた魔磁伽琉も10%程補充出来ている。


どうやら幸運にも、本体は魔磁伽琉の使い手であるらしい。


必要とされる魔磁伽琉ではなかったが、今夜の一仕事には充分な量で活動に支障はない。


昨夜下見に訪れた森の一角で私は足を止めた。




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