わたしの彼氏は××××です。
軽く涙目になりながらそっぽを向いていると、綾香ちゃんは気にも止めてないように、スタスタと歩きだす。
「珍しいね、三輪先輩が教室までついてこないの」
その残酷さに若干泣きそうになったが、涙を堪えて小走りで綾香ちゃんの隣に立つ。
「ん?」
「ほら、三輪先輩あたしたちの教室まで美鈴を送ってくじゃん。悪いムシがつかないようにって」
何かあった?と怪訝な顔をした彼女がわたしに詰め寄る。
「あぁ、今日はなんか生徒会の集まりがあるとかなんとか」
スタスタと廊下を2人で歩いていると、あらゆる方向から視線を感じる。
その多数の瞳からは心酔、憧憬、羨望などさまざな感情が読み取れる。
これはきっと綾香ちゃんのファンさん達だろう。
綾香ちゃん、美人だもんなぁ……。