わたしの彼氏は××××です。
「わたしと付き合っているのが知られたら、颯ちゃんの人気がなくなっちゃうんだよ。わたしなんかと一緒にいたら颯ちゃんまで嫌われちゃう……それは嫌なの。だから──」
涙ぐみながら必死に言葉を繋げたところで、颯ちゃんの温かい腕に包まれた。
「うん。ごめんね。…ありがとう。僕のことをそこまで考えてくれて…。
でも僕は美鈴のことが大好きだから、僕たちの関係を美鈴には否定されたくないんだ」
わたしも颯ちゃんのことが大好きなようにまた、彼もわたしを大好きなのだ。
自身の独断で物事を進めていたことにひどく後悔した。
「うん。そうだよね。わたしも颯ちゃんのこと好きだよ」
颯ちゃんの優しい腕の中で心が安らぎ、永遠とこうしていたくなる。
彼が優しい手つきでわたしの頭を撫で上げ、それに目を閉じて幸せを噛み締めた。
「ふふ。嬉しい。ねえ美鈴」
颯ちゃんの柔らかな声。
これもまたわたしが颯ちゃんを好きとしているところの一つだ。
「なぁに?」
「キスしてもいい?」