イケメン小説家は世を忍ぶ
ケントが怖い顔をしているので仕方なく、袋を開けて、パンをちぎって口に入れる。

固いし……パサパサしてるし……美味しくない。

セピオンに着いたら私はどうなるのだろう?

やっぱり……殺されるのかな?

うつ向いたまま機械的にパンを口に運ぶ。

「食べたら寝ておけ。セピオンまで十二時間くらいかかる。身体を休めろ」

ケントはそう言うが、こんな緊迫した空気の中、寝れるほど私はふてぶてしくない。

しかも……一時間ほど前まで、気を失ってたし……。

目を閉じても……周りが気になって寝れない。

「……無理です」

情けない声でそう言うと、ケントは軽く溜め息をついて、私のシートベルトを外した。

「世話のかかる奴だな」
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