イケメン小説家は世を忍ぶ
「え?シートベルト取って大丈夫なんですか?」

「もう安定飛行になってるから大丈夫だろ?他の奴らも動いているし。ほら、お前の枕はここだ」

めんどくさそうに言ってケントは私の頭を自分の膝におしつける。

「きゃあ!ちょっと!何をするんですか!」

ビックリしてケントに文句を言えば、彼は“しーっ”と呟いて人差し指を自分の唇にそっと当てる。

「また騒ぐとあの短気な奴に脅されるぞ」

だからって……ケントの膝枕で寝るなんて無理です~!

涙目で訴えるが、彼は自分が着ていたジャケットを脱いで私の身体にかける。

「こんなの眠れませんよ」

声を潜めて抗議するが、ケントは「何なら子守歌を歌ってやろうか?」と私を子供扱いする。

「結構です」

目を細めてケントを睨むと、通路側に顔を向け彼のジャケットを被った。
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