イケメン小説家は世を忍ぶ
「この慌てぶりを見ると、ヤバそうだな。あともう少しでセピオンなんだが……」

いつも私をからかっているケントの真剣な様子で事態の深刻さがわかる。

バンという大きな音がしたかと思ったら、ひどい風圧を受け身体が飛ばされそうになった。
「きゃあ!」

飛ばされなかったのは、ケントが私の腕を強くつかんでいたからだ。

強い力で何とか私の身体を引き戻すと、ケントは素早く私の身体にシートベルトをする。

ケントの身体にしがみつきながら、風が来る方向に目を向けると、兵士が出入り口のドアが開けていた。

そこへ、マックスがやって来て、私たちの方を見た。

「この飛行機は墜落する。運が悪かったな」

頬に傷のある男は残忍な笑みを浮かべると、ドアから空中へ飛び降りた。
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