イケメン小説家は世を忍ぶ
「運が良ければって……。出来ちゃっていいんですか?」

恐る恐るケントに聞くと、さも当然というような顔をする。

「いいに決まってるだろ。俺達結婚したんだから」

『結婚』と言われても式も挙げてないし、ピンとこない。

それに、ケントが王子ということを考えると、急に不安になった。

普通の恋愛結婚とは違う。

「でも……私で本当にいいんですか?王族でもないし……」

「指輪が選んだんだ。その指輪はセピオンの守り神とされていて誰も文句は言わない。まあ、俺に言わせれば、俺が選んだ女と指輪が選んだ女がたまたま同じだったってことだがな」

ケントが、私を愛おしげに見てフッと微笑する。
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