イケメン小説家は世を忍ぶ
キスが終わると、私もケントに自分の気持ちを伝えた。
「私も……ケントが好きです」

嬉しくて涙が溢れると、ケントは私の頬をつたる涙を指で拭った。

「ひょっとしたら、ここにもう宿ってるかもしれないな」

どこかダークな笑みを浮かべ、ケントは私のお腹にそっと触れる。

「宿るって……子供?」

私が素っ頓狂な声を上げると、ケントは楽しげに頷いた。

「結衣を初めて抱いたあの時、避妊しなかった。だから、運が良ければ出来てるかもな」

あの時は必死で避妊のことなんて全然考えてなかった。
顔がサーッと青ざめる。
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