イケメン小説家は世を忍ぶ
「何だって?はっきり言ってくれないと困る」

淡いブランデー色の瞳が私を捕らえる。

「何でもありません!」

桜井先生から目を逸らして答えるが、その時目の前がスッと陰って鼻にチクッと痛みが走った。

な、何?

今、先生に鼻を噛まれたよ~‼

目を大きくパチクリさせると、桜井先生が悪戯が成功した子供のようにニヤリと笑った。

「そういう態度は気に入らない」

「だからって人の鼻を噛みますか!」

私はキッと桜井先生を睨み付けると食って掛かった。

「その控え目な鼻を高くしてやろうと思ってな」

桜井先生は涼しげな顔でそう言いながら微かに口角を上げる。

「大きなお世話です!」

売り言葉に買い言葉。

拳を握って怒りを露にすると、先生のお手伝いさんが割って入ってきた。
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