イケメン小説家は世を忍ぶ
「あっ、すみません。魚綺麗に食べるのって難しくって……。箸の持ち方も何度か言われたことがあるんですが、直らないんですよね」

「日本人として恥ずかしいだろ?ほら、俺の真似して持ってみろ」

桜井先生が私に箸の持ち方をレクチャーする。

「あれ?……あれれ?」

言われるまま彼の持ち方を真似してみるが上手くいかない。

「……お前って不器用だな」

桜井先生は目を細め呆れたように呟くと、席を立つ。

「え?先生……何を?」

私が呆気に取られていると、桜井先生は私の背後に立って私の手を取った。

この密着度。

先生の吐息を感じるくらい顔が近いんですけど~‼

顔が熱で一気に熱くなるし……心臓もバクバクいっている。

私がひどく動揺しているのを知ってか知らずか、桜井先生は悔しいくらい落ち着いた様子で教える。
< 69 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop