俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
それからは慌ただしく日々が過ぎた。
葬儀屋さんとやらが、てきぱき段取りを決めていった。
通夜は家でやることになり、文字が書かれた細い板とたくさんの花で和室が埋め尽くされた。
スーツ姿の大人たち――親父の会社の偉い人や、部下らしき人がたくさん来て、母と祖母はその対応に追われて。
悲しそうな顔をした先生やクラスメイトたちも来てくれて。
正月やお盆にしか会わない親戚も慌ただしく動いていて。
めまぐるしく進む時間の中、
俺だけが、取り残されたような気持ちだった。
尾家さんにもまた会えた。無言のまま、俺の頭を撫でてくれた。
だけど、素直にありがとうと言うことができなかった。
「この度は心よりお悔やみ申し上げます。修一さん(父)には大変お世話になりました。私たちにできることがあればお手伝いさせてください」
向かいの家に住んでいる高川家――アリサとその両親も来てくれて、いろいろと手伝いをしてくれた。