俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


「あんたこそお父さん死んでからダラッダラタラタラしてんじゃないよ! 高校受験失敗して滑り止めの私立に行くわ、部活もしないで放課後遊びまわってるわ。あげくのはてに、何なのその髪型! それ天パじゃないでしょ? 本物のパーマでしょ。どんだけ調子乗ってんの!」



ぐ……パーマかけたのバレてたか。軽めのやつなのに。


おかげで、伸びてもくせ毛に悩まされることはなくなった。



何も言い返せないでいると、

祖母による援護射撃もくらってしまう。



「ばーちゃんも悲しくなってきたよ。修一(父)は、たくさんお金残してくれたけどねぇ。あの世で『今の良一には一銭もやらん!』ってプンスカ怒ってるべなぁ。
あ、裕子さん、良一のお小遣い減らした方がいいんでねぇの?」



や、お小遣い減はまずい。


ゲーム欲しいしオシャレしたいし遊びたいし!



「やべ、そろそろ学校行かなきゃ!」


「こら! 良一、話は終わってないよ!」



「ごちそうさまでしたっ。行ってきます!」



なんだよ! 完全にやつあたり食らったじゃねーかよ!



暗い空気を明るくしようとしただけなのに。


親父がいない今、俺なりに母と祖母を元気づけさせようと思っただけなのに。


< 130 / 269 >

この作品をシェア

pagetop