俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
俺はどうしていつもアリサに心をかき乱されなきゃいけないんだ?
そして、どうしてアリサもまた、俺の言動に過剰に反応するんだ?
「そういえば、バイトもいいけど、最近勉強は大丈夫? またあたしが教えに行ってあげよっか?」
「いらない。どーせお前よりレベル低い高校行ってるから全然余裕」
俺が突っぱねると、アリサは切なそうな目を向けてきた。
「そっかぁ……前みたいに良ちゃんの部屋、遊びに行きたいのになぁ」
「…………」
だから、どうしてお前はいちいち感情を動かすんだ?
たかが俺が何気なく発した言葉で。
「あのさぁ、何でいちいち俺にからんでくんの? お前彼氏いるじゃん」
だめだ。優しくしようと思ってもこうなってしまう。
心に得体のしれない拒否反応が生じてしまい、
どうしても突き放す言葉を吐いてしまう。
アリサの顔を見れない。
どうせ悲しそうな顔になるんだろうな。
……また傷つけたのだろうか。何してるんだ俺は。
俺の家から、テレビの音がかすかに聞こえてくる。
その音にかき消されそうなほど、細い声でアリサはつぶやいた。
「だって良ちゃんがいないと、あたしがどこにもいなくなっちゃう」