俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
「…………」
何も言い返すことができなかった。
ぐちゃぐちゃした気持ちが胸のあたりに込み上げてくるだけ。
「って、ごめん! なんでもない。あ、バイト慣れたら教えてね!」
表面だけつくろった明るい声。笑顔。
じゃーおやすみー、という無理やりの軽い声。
そのまま彼女は俺から離れていき、自分の家に入っていった。
アリサの言葉が頭の中で繰り返されたせいで、
その日の夜はなかなか眠れなかった。
深夜1時。暗い部屋の中、カーテンを開ける。
アリサの部屋はピンク色の光を発したまま。
早く寝ろよ。
いつもだいたい0時には電気消してるじゃん。
「ちっ……」
いつか彼女とちゃんと向き合わなきゃいけない。
分かってはいる。
でも、まだ無理だ。できない。
アリサに対して、俺が抱いている感情の正体が、分からない。