俺に彼女ができないのはお前のせいだ!







注文はブレンドのMサイズっと。


てきぱきとカップをマシンにセットし、飲み物が注がれる間にレジを打つ。



「ありがとうございました」



バイトを始めておよそ2週間。


仕事の覚えの良さには定評があったが。



「あれだな。あんた手際はいいんだけど愛想はよくならないねぇ。ま、頑張れよっ」



カウンター越しに常連のおばあさんに声をかけられた。



「はい。頑張ります……」



ちなみにバイトの先輩たちからは、このおばあさんに認められればようやく1人前だと言われている。


くそ。まだダメか……。



「あはは。柳井くんって本当カワイイ。感情が顔に出やすいタイプ?」



ピークの時間が過ぎ、お客さんが途切れた今。


俺の隣でケラケラ笑っているのは、あのエナさんだった。



ちなみにエナさんの接客力はハンパない。


老若男女問わずお客さんを笑顔にするスキルを持っている。

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