俺に彼女ができないのはお前のせいだ!



本当に行かせてよかったのだろうか。



リビングに戻ると、飲みかけのコーヒーと紅茶が並んでいて、


テレビには、子どもたちが無邪気に追いかけっこをするシーンが映し出されていた。



アリサのやつ、本当わけわかんねーよ。


どうして、彼氏と別れる別れない問題に俺が関係してるんだ?



確かに、あいつに今の彼氏ができる前――俺の親父が死んだ後くらいか。



何にもやる気が起きない時期があった。


いちいち俺にかまってくるアリサがウザいと思った。


冷たい態度を取って、キツい言葉をたくさんぶつけもした。



悪いなと思ってはいても、感情がついていかなかった。


自分でも自分のことが分からなかった。



ただ、さっき、俺を振り切って家を飛び出した時。


アリサは強い意志を宿らせていたように思えた。



そんな彼女の姿は久しぶりに見た気がした。



簡単には超えられないと思っている存在が、そこにいた。



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