俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
ゆるい街灯が、同じくらいの長さの影を2つ、道路にうつしだしている。
「いいの? あたし、本当にのぞむくんと」
「あいつのこと好きなら、キスでもその先でもすればいーじゃん」
自分にとって未知の領域であることをさらりと口にしていたため、
俺は心がどぎまぎしてしまった。
仕方なしに振り返る。
アリサは大きな目を見開き俺を見つめていた。
「そっか。そうだよね。うん。ま、もうキスはしちゃったけど」
つややかな黒い髪を耳にかけてから、俺から視線をそらす。
長いまつげを伏せて、軽く唇を尖らせながら。
だから。なんでそういう切なそうな顔すんだよ。意味わかんねー。