俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


微妙な気分になったため、

カロリーハーフにするか、お手頃サイズのものにするかなど、マヨネーズのことを全力で考えながら、再び歩き出した。



しかし、アリサは俺を追い越し、道をふさいできた。



「ねー良ちゃんは好きな人とかいないのー?」


「いねーよ。そんなヒマねーし」


「うわぁ、出たー。忙しいアピール! モテないだけのくせに」


「……別にモテたいとか思ってないから」



いいえ。嘘です。本当はモテたいです。



短い髪の毛はガキくさい。だから伸ばしたい。


背も今年に入ってから5センチ伸びたけど、まだ足りない。


勉強も部活もキャーすごーいと言われるくらいになりたいが、親父に言わせるとどっちも中途半端。



対するコイツはどうだ。


スタイル良くて、俺よりも身長が高くて、見た目もめちゃくちゃ可愛くて。


勉強もできるし、部活も引退する前は吹奏楽部の副部長。


モテるし、おしゃれだし、男女どちらにも人気。



「良ちゃんもっと素直になれば、絶対モテると思うのに」


「もう、腕組むな! 誰かに見られたら俺、のぞむってヤツに絶対シめられるって」


「大丈夫だよ。うちら幼なじみってやつですからー」


「……ちっ(胸、当ててくんなよ)」


「あー舌打ちしたぁ。ひどーい!」



アリサは昔から、俺の天敵であり、超えられない存在。


今は女という武器を使って、よく俺の心のよく分からないゾーンをつっついてくる。



まあ、ぶっちゃけて言うと、悪い気分はしない。



< 35 / 269 >

この作品をシェア

pagetop