俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
微妙な気分になったため、
カロリーハーフにするか、お手頃サイズのものにするかなど、マヨネーズのことを全力で考えながら、再び歩き出した。
しかし、アリサは俺を追い越し、道をふさいできた。
「ねー良ちゃんは好きな人とかいないのー?」
「いねーよ。そんなヒマねーし」
「うわぁ、出たー。忙しいアピール! モテないだけのくせに」
「……別にモテたいとか思ってないから」
いいえ。嘘です。本当はモテたいです。
短い髪の毛はガキくさい。だから伸ばしたい。
背も今年に入ってから5センチ伸びたけど、まだ足りない。
勉強も部活もキャーすごーいと言われるくらいになりたいが、親父に言わせるとどっちも中途半端。
対するコイツはどうだ。
スタイル良くて、俺よりも身長が高くて、見た目もめちゃくちゃ可愛くて。
勉強もできるし、部活も引退する前は吹奏楽部の副部長。
モテるし、おしゃれだし、男女どちらにも人気。
「良ちゃんもっと素直になれば、絶対モテると思うのに」
「もう、腕組むな! 誰かに見られたら俺、のぞむってヤツに絶対シめられるって」
「大丈夫だよ。うちら幼なじみってやつですからー」
「……ちっ(胸、当ててくんなよ)」
「あー舌打ちしたぁ。ひどーい!」
アリサは昔から、俺の天敵であり、超えられない存在。
今は女という武器を使って、よく俺の心のよく分からないゾーンをつっついてくる。
まあ、ぶっちゃけて言うと、悪い気分はしない。