俺に彼女ができないのはお前のせいだ!







コートの端から端までダッシュ30本、その後、学校まわりのランニングコースを5周。


ああ、天国(ヘブン)が見えてくるようだ……。



「あー死ぬ。まじ死ぬ。いってててて」



ストレッチ中、チームメイトに背中を押してもらいながら、泣き言を吐く俺。



こんなに部活でへとへとになって、勉強までちゃんとしろってか? まじ無理っすよ。


と思いながらも、親父のせいで俺は何からも逃げることができない。



「でもお前、レギュラーなれたじゃん。スーパーサブという名の補欠、卒業じゃん。俺なんかまだ2軍のままだし」


「まーね。でもなんかしっくりこねぇ」



サッカーは小学生の頃に始めた。


このエリアには上手い人がいっぱいいるらしく、俺はずっと補欠だった。


レギュラーになれないくらいなら辞めろ、と親父に言われ続けていたため、必死になって練習した。



結果、大所帯のサッカー部で、俺はレギュラーを勝ち取っていた。



だけど、最近なぜか練習に身が入らない。


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