俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
コートの端から端までダッシュ30本、その後、学校まわりのランニングコースを5周。
ああ、天国(ヘブン)が見えてくるようだ……。
「あー死ぬ。まじ死ぬ。いってててて」
ストレッチ中、チームメイトに背中を押してもらいながら、泣き言を吐く俺。
こんなに部活でへとへとになって、勉強までちゃんとしろってか? まじ無理っすよ。
と思いながらも、親父のせいで俺は何からも逃げることができない。
「でもお前、レギュラーなれたじゃん。スーパーサブという名の補欠、卒業じゃん。俺なんかまだ2軍のままだし」
「まーね。でもなんかしっくりこねぇ」
サッカーは小学生の頃に始めた。
このエリアには上手い人がいっぱいいるらしく、俺はずっと補欠だった。
レギュラーになれないくらいなら辞めろ、と親父に言われ続けていたため、必死になって練習した。
結果、大所帯のサッカー部で、俺はレギュラーを勝ち取っていた。
だけど、最近なぜか練習に身が入らない。