俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


そいつらに軽く会釈をしてから、俺はヘルメットをかぶる。


そのまま「すみません」と言って、再びペダルを踏み込もうとした、その時。



「おい、ちょっと待てよ」



3年男子軍団の奥から現れたのは……!



「お前、アリサのあれだべ。幼なじみってやつ。近所の」



ちゃんと文章を話せよ! と頭の中で突っ込みたくなるようなセリフを吐いてきたのは、微妙なツーブロックヘア男子――


アリサの彼氏である、のぞむだった。



「はい、そうですけど」



まさか俺、こいつにボコられる? 朝、しょっちゅうガンつけられるし。まじやべぇ。


きゅーんと全身が縮みそうになる。



しかし、そんな俺のノミの心臓をよそに、のぞむは真面目な顔でこう聞いてきた。



「なーアリサってビッチ系なの? 清楚系なの? どっち?」



――はい?



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