俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


「どしたの? 珍しいね、良ちゃんから部屋に入れてくれるの」



部屋に入るなり、ぼすっと人のベッドに腰をかけるアリサ。


俺はその奥にカバンを投げ、勉強机の椅子に座った。



空気を読んだのか、アリサは大きな目でじっと俺を見つめてきた。



「もしかして、機嫌悪い?」


「別に」


「良ちゃん、なんか変だよ?」



とりあえず2人きりになれたものの、

何でアリサを部屋に呼んだのか、何を言いたいのか、自分でも整理できていない。



なぜか、胸元が大きく開いたTシャツの影の部分に視線がいってしまう。


Bカップなのか、ふーん。


って。違う違う、惑わされるな、自分!



ふぅと一息吐いてから、俺は口を開いた。



「……あのさ、各駅停車の方と付き合ったら?」


「はい?」


「ほら、この前迷ってたじゃん。どっちと付き合うかって。のぞむにするかこだまにするか……」


「こじまくんだよっ!」


「あーそうそう。だから。こじまってヤツの方が、お前に合ってるんじゃねーの?」



そう伝えると、アリサは不思議そうに首をかしげる。


蛍光灯の光を反射する髪の毛が一束、胸元の影に落ちた。



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