俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
こういう時に限って、ありがたいことに母も祖母も外出中。
洗面台でその子が手を洗っている間に、
リビングのローテーブルに消毒液と絆創膏、そして飲み物を準備しておいた。
うわ。アリサ以外の女子が家に入るの、久しぶりすぎなんですけど。
変に心臓がどきどきしてしまう。
「本当にすみません、わたしが勝手につけてきたのに、いろいろ迷惑かけちゃって……」
「別に」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
うああああ。何だよこの沈黙。
お前もじもじすんな! 俺のファンだったら、どんどん話しかけてきてくれよ! (ってすげー上から目線)
とりあえず、リビングのソファーに座ってもらう。
「…………」
すると、彼女は無言のまま、すりむけた右手を俺に突き出してきた。
え、俺が消毒するんすか?