俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
昼休み。2年生の教室エリアに着いた瞬間、突風に包まれた。
どうやらゆみりに逃げられたらしい。
くそ。あいつ、メタルスライムか? 逃げ足早すぎだろ。
廊下を進むと、
「あの人が襲ったんだって……」「うっそ。そんなことする人に見えないけど」
などという女子のヒソヒソ声が聞こえてきた。
違う、違うんだ! 俺は無実だぁぁ!! と叫びたくなる。
もしかして、俺……。
中学生のうちに彼女作るの、もはや無理ゲー?
1人うなだれていると、後ろからポンと肩を叩かれた。
「良一、俺に任せろ」
力強い声をかけてくれたのは、学年一イケメンの駿介。
これまで数々の女子を落としてきた彼が、俺の手助けをしてくれるという。
って言っても、どうやってつかまえるんだ?
俺がそう考えているうちに、駿介はスマホをいじりだす。
間もなく同学年の女子軍団がゆみりを連れてきてくれた。
うおお、すげぇ能力持ってるぞコイツ!