俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
思考の波に襲われてしまい、夜中になっても眠気がこない。
ベッドにごろんと転がり、何もしないでいると、
スマホが小刻みに震えた。
『良ちゃん、今部屋にいる?』
アリサからのラインだった。
『いるけど』
『お父さんの具合はどう?』
『まだ意識戻ってない』
『そうなんだ。今、外出れない?』
『何で?』
『良ちゃんに会いたいから』
カーテンを開けて、ちらっと外を見る。
数メートル先にあるピンク色のカーテンの隙間から、彼女の顔が見えたため、急いでベッドに戻った。
『疲れたし会いたくない』
『そっか。お父さんもだけど、良ちゃんのことも心配だよ。ちゃんと食べてる? ちゃんと寝てる?』
いちいち心配してくるなよ。絡んでくるなよ。
心をかき乱さないでほしい。
頭の中がぐるぐるしすぎてパンクしそうだ。
『なんでそんなことお前に言われなきゃいけないの』
そう送信した後、舌打ちをしながらスマホを放り投げた。