甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 じっと、ユアンがフィーネを見る。

 つっと手が伸びて、少しだけ肩におろしているフィーネの髪をユアンが
 つまむ。



   「やっぱりブラウンの方がいいな、その方がその瞳には
    よく似合う」


 つまんだ毛先を弄ぶようにしながらそう言われ、フィーネの鼓動が
 跳ね上がった。

 さっきから胸がどきどきしっぱなしだ、ユアンが近くにいるから!



   「色なんて、どうでもいいでしょ」



 なるべくそっけなく聞こえるように言うと、かすかにユアンが眉をひそめた。



   「今日のドレスだって、ブラウンの髪のほうが映えたかもしれない。
    ブラウンの髪に淡いグリーンの瞳のフィーネを思い浮かべて
    ドレスを選んだから、違和感を感じるのか......」

   「だから! どうでもいいのよ、そんなこと」

   「いや、どうでもよくないよ。君は僕の妻だ、だから誰よりも
    美しく君を飾りたい」

   「なっ......」



 かっと頬が熱くなる。

 まるで本当の夫からのような甘い言葉に、強い媚薬を嗅がされたように
 頭がぼうっとなりそうになる。

 ユアンの言葉に、眼差しに、囚われていく自分を感じれば感じるほど
 フィーネは焦りをおぼえてつっぱねた。



   「私は、妻なんかじゃ、ないでしょ!」

   「......」
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