甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 そのカップを見ながらフィーネは、新聞に顔をうずめているバーバラに
 声をかけた。


   「バーバラさん」


 ばさっと目の前で新聞が動いて、バーバラが顔をだす。

 昨夜の疲れが残っているのか、フィーネ以上に冴えない顔色をした
 バーバラは、名を呼んだのがフィーネだとわかると怪訝そうな顔をした。


   「なんだい? 朝っぱらから」

   「あの、お話があるんです、少しいいでしょうか」


 フィーネの言葉にバーバラはさらに訝しげな顔をした。

 そして黙ったままフィーネの顔を見てるから、ぐっと拳を握ると
 フィーネは意を決して口をひらく。


   「私、働きたいんです。働いてお給料をいただきたいんです」


 少々しかめつらをしてフィーネを見ていたバーバラは、フィーネの
 言った言葉を聞き、今度は呆れたような顔をした。


   「働くって、あんた、娼館で働くって意味がわかって言ってるのかい』

   「置いてもらって、食べさせてもらってるから、今までは無給で働いて
    きました。それなのに、いきなりお給料がほしいなんて厚かましいと
    思っています。
    でも、どうしてもお金が必要なので」

   「じゃあ、売るんだね?」

   「は?」

   「お金がほしいんだろ、だから売るんだね?身体を」

   「えっ 身体...... あっ、い、いえ、そういうことでは,......!」


 全然頭になかったが、よく考えればここは娼館だ。

 ”働く” とは、身体を売ること_ _。

 顔を赤くし、突然慌て始めたフィーネを冷めた目で見たバーバラは頭を
 ぽりぽりかくと、今度はフィーネの姿をじろじろ眺めまわした。
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