甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋
”気味が悪いったらありゃしない、私はバケモノを産んだんだ”
酒瓶を手に酔っ払った女がそう喚く。
幼い自分はその女に近づきたいと思っているが、近づくことはできず
壁に背を預けているしかない。
涙をこぼす代わりに、”かあさん” と幼い声が漏れたところで、急に
場面が変わった。
裸の背中にムチをふるわれているのは自分だ。
痛みをこらえ、歯を食いしばる。
いつしかムチ打ちは止み、今度はねっとりとした舌が傷ついた背中の上を
這いまわる。
「や、やめて」
そう懇願すると、低く笑う男の声がした。
「お前はモノだ、私が買った。どう扱おうと私の自由だ」
舌が、渇いた指が、さらにあちこちを弄り、身体を好きなように弄ぶ。
「や、やめろ」
そう低く唸った自分の声でユアンは目を覚ました。
ジャブロウの町の穴ぐらのような小さな酒場、その片隅でいつの間にか
眠っていたらしい。
テーブルの上に並んだ空の酒瓶と、安物の葉巻が紫色の煙をあげているのを
ぼんやりと眺めていたユアンは、側に人影がたったことに気づいて
目をあげた。